令和4年6月28日の秩父市議会定例会では、重要な議案が一括上程され、様々な意見が交わされた。
市長提出の議案では、特に「令和4年度秩父市一般会計補正予算(第2回)」に関する議論が注目を浴びた。この補正予算には、居住者の生活向上を目指し、福祉部門や教育に対する補助金が含まれており、特に入学準備品購入補助金に対して多くの発言が寄せられた。
文教福祉委員長の清野和彦議員は、入学準備品購入補助金について、「この補助金制度は、格差を是正し、困窮家庭への支援を目的としている」と強調した。これに対し、一部議員からは、制度設計の不備や支給条件への懸念が示された。また、金崎昌之議員は「貧困の連鎖を断ち切るためには、イニシアチブをもって取り組む必要がある」と述べ、包括的な支援の必要性を訴えた。
一方で、議案第52号に関しては、大久保進議員からの修正動議の提出があり、さらに討論が続いた。出浦章恵議員は、入学準備品購入補助金に対し、地域内での消費促進を目的に「秩父郡市内の販売店に限る」という要件に疑問を呈した。他の議員も、この要件が制約となる可能性について意見を述べ、賛否が分かれた。
最終的に、原案は可決されたが、修正動議は否決され、議員の間で議論が白熱した。議長の堀口義正議員は、「市民の意見を反映させつつ、持続可能な制度を築いていく必要性がある」と述べ、今後の議論への期待を示した。
また、議案第49号「秩父市印鑑条例の一部を改正する条例」についても、委員会報告を基に議論され、マイナンバーカードを用いた証明書交付方法の導入が議論の中心となった。金崎昌之議員は、「この改正により利便性が向上するが、情報漏洩のリスクを十分に考慮すべきである」と警鐘を鳴らした。
全体として、議会は市民生活の向上を目指し、活発な意見交換が行われていることが伺える。市長の北堀篤市長は、最終的にこれらの議案が迅速に執行されることを約束し、議会は閉会した。今後も市民の負託に応える施策が求められる。