令和5年12月、鳥栖市議会は定例会を開催し、複数の重要議案が可決された。特に令和5年度の一般会計補正予算が中心的な議題となり、予算に関する議論が展開された。
日程第1では、議案乙第30号、及び第34号として提案された令和5年度鳥栖市一般会計補正予算（第4号、5号）の審査が行われた。総務常任委員長の中村直人氏は、「補正予算における歳入としては、個人市民税や固定資産税、国庫支出金が計上されている」と詳細を説明した。この中には、社会保障・税番号制度システム整備費補助金や戸籍情報システム改修事業費補助金なども含まれており、地域における生活水準向上に寄与することが期待される。
また、歳出には、職員手当の改定やごみ処理施設の周辺活性化交付金に関連する経費も含まれ、現行の行政サービスの維持向上が目指されていると強調した。特に、コミュニティ支援策としてごみ処理施設周辺地域への配慮が求められ、委員からは「周辺地域に対する適切な施策が必要」との意見が寄せられた。
さらに、日程第2では、国民健康保険特別会計補正予算（第2号）や各種条例改正案が審議され、特に介護福祉サービスや子育て支援に関連する条例改正が注目された。樋口伸一郎文教厚生常任委員長が、「医療・介護・福祉の分野における処遇改善が急務である」とし、意見書案第11号も通過した。これは、介護職員の賃金水準を確保するための制度改革を政府に求めるもので、多くの議員が賛同した。
さらに、意見書案第12号では認知症との共生社会の実現が提案され、池田利幸氏は、「認知症高齢者が尊厳を持って暮らせる社会の構築が必要」と訴えた。
議会はまた、オスプレイの飛行中止を求める意見書案や九州新幹線の新鳥栖駅分岐に関する文書も可決された。これにより、地域住民の安全確保や利便性向上が図られる予定である。
最終的に、議会は各議案を可決し、今後の鳥栖市の発展に向けた姿勢を明確にしたとされる。市民への説明責任や実効性ある施策が求められ多くの議員がその重要性を再確認した会合となった。