令和5年3月定例会の一般質問では、鳥栖市の未来に向けた様々な施策が議論され、特に市長選挙を経て新市長に就任した向門慶人市長が掲げる「近未来鳥栖市づくり」が焦点となった。
まず、鳥栖市長としての期待が寄せられる中、向門市長は市民の信頼を得るため、職員とのコミュニケーションを重視すると強調した。そして、鳥栖駅周辺整備に関しては、鉄道で分断された市街地を結ぶ重要施策であると位置づけ、東口設置の可能性も視野に入れ、今後の都計審における議論に期待を寄せている。
具体的な施策としては、市民の利便性向上があり、現在駅西口に集中している利用者を分散させることで、混雑解消にも寄与すると述べた。
一方で、議会からは、過去の市長が掲げた計画が実現に至らなかった経緯から、向門市長には明確なビジョンの提示が求められた。特に、鉄道高架化に関する問題は、長年にわたって議論されてきたが、整備には巨額の費用と時間が必要であり、一度白紙撤回された背景があるため、今後の進展が注視される。
さらに、子育て支援についても多くの質問が寄せられ、特に給食費の公費負担や多子世帯に対する補助金の拡大が求められている。向門市長は、保護者の負担を軽減させる施策を行っていくとしつつも、現時点での完全無償化は難しいと明言した。
また、保育園や放課後児童クラブの待機児童ゼロについては、特に保育士の確保が課題であり、現職の職員や新たに必要な人材の採用についても言及された。この点についても、今後の取り組みが注視されるところである。
向門市長は特に、スポーツ振興や農業振興といった幅広い施策にも言及し、地域の活性化に向けた町づくりの姿勢が示された。健康スポーツセンターについては、現状での計画を検討しつつ、今後の方向性をお示しする考えが示され、また市民公園全体のあり方についても見直す必要性が感じられる。
今後、議会や市民の期待に応える施策がどのように実現されていくのか、注目される。