令和4年3月の定例会では、複数の重要な議題が議論された。特に、新鳥栖駅前周辺の整備については、中川原豊志議員がその状況を詳しく問いただした。新鳥栖駅の開業から11年が経過しても、周辺の発展には期待外れの現実がある。市の繁栄のシンボルとされた新駅の周辺には、ホテルの進出がなく、駐車場やレンタカー会社のみが存在する現状がある。議員は、「現在の新鳥栖駅の利用状況」や「駅前バスプールの利用状況」について、市の見解を求めた。
福原茂建設部長は、新鳥栖駅の乗降客数について、過去10年間のデータを基に説明した。令和元年度のデータでは、日当たり2,128人という数字が示され、新型コロナウイルスの影響を考慮する必要があると強調した。また、バスプールの利用状況も回答し、減少している実績を挙げた。議員は、コロナ収束後の対策や広告戦略の見直しを求めた。
次に、原発避難計画の検証が議題に上がった。牧瀬昭子議員は、福島第一原発の事故を受けて、鳥栖市における避難計画の重要性を強調した。現在、玄海原発が稼働していることを踏まえ、もし事故が発生した場合の、鳥栖市民の避難プロセスが整備されていないことに危機感を表明した。市長は、県との連携を密にしていく意向を示したが、具体的な避難計画の策定が行われていない現状に対して市民への説明責任を求める声が上がった。
最後に、待機児童解消策が議論された。数名の議員から、学童保育の需要に対し供給が追いついていないとの指摘があった。教育部長は、クラブ設置数の目標設定とそれに対する現実的な供給状況の乖離について説明し、既存の施設や空き校舎を活用する方向性を示した。しかし、具体的な成果は見られず、市民からの不満が高まっている。議員は、待機児童解消に向けたスピード感のある取り組みを求めた。