令和4年3月10日、玄海町議会では第1回定例会の一般質問が行われた。主要なテーマには、町の重要産業である玄海町旅館組合の現状や、企業誘致に向けた目標、脱炭素社会への移行と若年者の雇用創出が取り上げられた。特に松本栄一議員は、旅館組合が原子力発電所との関係で成り立っている現状を指摘し、その変化による影響を町長に質した。
松本議員は、旅館業が原子力発電所の需要に依存している点に言及し、「もともと16軒の旅館が11軒になる現状をどう捉えていますか」と問いかけた。脇山伸太郎町長は「旅館組合の収入減少は深刻で、合宿促進事業の影響で宿泊施設の需要も落ち込んでいる」と回答した。また、支援策として昨年度に200千円の経営継続支援を行ったことを伝えた。しかし、この支援策は全ての業者が活用できるわけではないと松本議員は強調した。
続いて、山口寛敏議員が公営学習塾の効果や参加者数を質問した。教育長は「公営学習塾は132名が参加し、学力向上に貢献している」と述べ、昨年12月の学力調査での改善傾向を強調した。新型コロナウイルスの影響もあったものの、参加者の成績や学力が向上していると説明した。
議論の中での重要なポイントは、企業誘致のビジョンであった。前川和民議員は、若者の雇用問題に関連し、「玄海町で新たな産業を興すためには企業誘致が大切だ」と強調し、特に水素関連技術の誘致が持つ可能性に対し期待を寄せた。脇山町長も「水素事業への企業誘致が進むよう、丁寧に対応していきたい」と述べた。
最後に、岩下孝嗣議員は、河川改修や漁場再生に関連する課題を指摘し、県との協議状況や具体的な進捗について確認を求めた。町長は「河川改修に関する調査は進行中で、今後の対応に向けて準備を進める」と発言したが、その実行力が今後の町の発展に向けた最大の課題であると強調していた。