令和2年の玄海町議会定例会が行われ、一般質問を通じて地域に関する多くの課題が浮き彫りになった。特に、廃炉事業や有浦川の整備、そしてバス停の改善が中心となっている。
友田国弘議員は、まず有浦川河口右岸の整備についての質問を行った。議員は、仮屋湾に注ぐ有浦川が町の中心を流れる重要な河川であり、その周囲の整備が進んでいない現状を指摘。特に民家から仮屋橋までの里道が未整備であることが問題とされている。脇山町長は、里道の整備は河川との一体的な整備が望ましいと回答した。
次に、廃炉事業についての井上正旦議員の発言が目を引いた。井上議員は、廃炉作業が進行する中で町民に経済効果が通じていないことを懸念。議員は敦賀市や美浜町での廃炉協定による地域振興などを参考にし、同様の取り組みを玄海町でも求めた。また、地元企業の参入促進や宿泊施設での地元食材の使用を期待する声も多かった。脇山町長は、現在の廃炉作業の状況とその影響を説明したが、依然として具体的な経済効果は薄いことを認めた。
教育長の中島安行氏は、スクールバスとコミュニティバスに兼用のバス停を設置することについて、過去の質問や意見を踏まえて難しさを強調した。しかし、井上議員は天候や利用者の利便性の観点から、屋根付きバス停の設置を強く求めた。今後の検討を約束する形で、双方は認識を共有した。
議会では、地域の生活水準向上、そして地元企業の活性化を目指した内容が多く議論された。廃炉事業を通じた地域振興が迫られている中、今後の具体策や町民の意見を集約する取り組みの必要性が再確認された。