令和3年玄海町議会定例会において、様々な重要な議題が討議された。
特に注目を集めたのは、宮崎吉輝氏の一般質問であり、主に園芸農業の振興策や後継者育成について言及した。宮崎氏は、佐賀県のメニューに基づく「さが園芸生産888億円推進事業」の具体的な効果や、玄海町での補助金支援の減少について懸念を表明した。これに対し、脇山伸太郎町長は、補助金の半減については財政健全化を目的としていたと強調。ただし、町の補助率を再び増加させる方向性を検討していると述べた。
次の議題は有浦川河川整備計画であり、岩下孝嗣氏がこの計画に関連して質問を行った。河川整備が進む中、住民の意見を反映させながら実施されるべきだとの主張があった。特に、河口に向かっての左岸、右岸の整備について、住民に対する説明責任が重要であると指摘された。脇山町長は、改修工事の進捗を見ながら住民との協議を続ける意向であると答弁した。
さらに、岩下氏は漁場再生の観点から、堆積物の除去を求めた。河鮮業において養殖環境が影響を受けている点を指摘し、調査と対策の必要性を訴えた。
また、教育長の中島安行氏は、玄海町における公営学習塾の設立について発表を行った。この施策は町民の学力向上を目指し、九大進学ゼミと連携して運営されることになる。具体的に使用する教科書に準じた授業内容で、定期テストの対応も行うとのこと。町民からは、学校教育の充実を期待する声が上がっている。
こうした動きがある一方で、井上正旦氏は、町の現状として、コミュニティバスの運行が利用者負担になっているとも指摘した。利用者が減少ぎみであり、乱れた運行スケジュールが問題となっていると指摘され、事業の見直しが必要とされている。
最後に、町長は、温泉パレアの湯量減少について言及した。掘削事業が失敗に終わったことに対し、引き続き湯量確保に向け再考する必要性を認めた。町としても、さらなる具体策を検討する意向が語られた。
これらの質疑応答から、議会では教育、農業、交通、観光等、広範な議題について多角的な視点が提示された。町の将来に向けた具体的な対策と、住民との対話の重要性が強調される一日であった。