令和2年10月8日、大阪市会は定例会を開催し、様々な決算報告や議案についての審議が行われた。
焦点となったのは、令和元年度の各事業会計に関する決算報告である。水道事業については、新型コロナウイルス感染症の影響により、約50億円の減収が見込まれるとの報告があった。決算特別委員会の木下吉信委員長は、緊急事態宣言の際に実施した基本料金の減免措置について言及し、災害への備えも強調した。
また、中央卸売市場の取扱量が10年前に比べ7.5%減少していることが明らかになった。市場機能の強化や流通環境の変化に対応した取り組みが求められている。理事者は、改正卸売市場法の施行や新たな協議の場を設け、活性化を図る意向を示した。
港営事業については、大阪港湾局の設置による事務の一体化が期待される。理事者は、国際港湾としての機能を強化し、防災機能も向上させる方針を述べたが、IR誘致が不成立の場合の備えについても考慮が必要であることが指摘された。
下水道事業では、老朽管対策の進捗が問題視された。具体的には、法定耐用年数を超えた老朽管が約40%に達する一方で、浸水対策が急務とされている。理事者は事業運営の効率化の必要性を訴えた。
討論では、反対意見も多く出され、特にIR関連開発に対する懸念が示された。井上浩議員は、その必要性と影響について疑問を呈し、公共の福祉を重視すべきとの主張が響いた。最終的に、報告及び議案は一括で可決された。
公正職務審査委員会の委員選任も議題に上がり、松井市長が新たな委員の選任を提案した。この内容も異議なく承認され、審議は終結した。今後の取り組みが市民の期待に応えることが求められる。