大阪市会は、令和4年第3回定例会を開催し、市政に関する幅広い質問が行われた。
議員からの質問では、まず新型コロナウイルス感染症の後遺症対策についての発言があり、「市長、後遺症患者への公的な支援が必要」と強調した。市長の松井一郎氏は、地域の医療機関との連携強化を図り、症状に応じた専門医療への紹介を進める重要性を述べた。
次に、高齢者施設への感染対策が議論された。山口悟朗議員は高齢者死亡者数の増加を踏まえ、施設内クラスターの対策が不足していたとして、「今後は迅速な対応が求められる」と指摘した。松井市長は、情報共有の仕組みの見直しや医療スタッフの派遣体制を強化する考えを示した。
がん対策に関しては、山本智子議員が医療用ウイッグ助成制度の創設を求め、「抗がん剤による脱毛に悩む患者支援が必要だ」と述べた。市長は、他都市の制度を参考にし、必要性を認識していると答えた。さらに、若年がん患者ターミナルケア制度の創設も提案され、市長は間接的支援策の検討を約束した。
ゼロ歳から2歳児への子育て支援の強化が求められ、「育児用品のクーポン支給も含む取り組みが必要」との意見が出され、松井市長は国の動向を注視しながら進める方針を示した。
教育については、小中学校給食費の完全無償化が議論された。岡田妥知議員は「給食は教育の一環」として無償化の必要性を提起し、市長は財政状況を考慮しつつ検討を進めるとした。
また、学習環境のICT活用が提起され、教育長は「次代の子どもを育成するための支援を進める」と応答した。さらには、小中一貫校計画や学校設備の空調整備についても意見交換がなされた。
市は今後、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万博に向け、市民の健康寿命延伸の取り組みなどを強化していく意向を示した。
会議は活発な議論が展開され、市民の生活向上に資する施策の充実が期されている。