令和3年田原本町議会第2回定例会が6月1日に開会した。議会は、出席議員13名で成立し、今定例会が進められる。
町長・森章浩氏の招集挨拶では、新型コロナウイルス感染症の影響に言及し、奈良県で緊急対処措置が延長されていることを受け、引き続き感染防止対策を徹底する意向が示された。感染者数は144人、死亡者は1名にとどまるものの、医療従事者への感謝も述べられた。
特に注目されたのが発議第1号であり、古立憲昭議員が提出した「学校教育におけるデジタルトランスフォーメーションを適切に進めるための意見書」についてである。市場におけるデジタル化の遅れを指摘し、教育現場におけるICTの活用についても強調され、児童に1人1台の端末提供やネットワーク整備が進められていることが報告された。教育のDXが目指すべき姿が議論される一方、吉田容工議員は教育DXの明確な定義が必要だと主張した。この意見書は最終的に賛成多数で可決された。
また、発議第2号に関しては、田原本町議会の会議規則の改正が提案された。出産や育児、介護など、議員活動における欠席事由を整備し、請願者にとっての利便性向上を目的とするものである。出産関連での欠席期間の規定が新設され、一律の押印の義務を見直す提案がされ、全議員の賛成で可決された。
報告事項としては、令和2年度一般会計予算繰越明許費及び下水道事業会計予算繰越計算書が報告され、各報告内容についても質疑応答が行われた。特に、一般会計では11億5,665万5,300円の繰越しが報告され、衛生費に関する妊婦への給付金支給の対象者数が予想を下回ったことが明らかにされた。さらに、下水道事業に関しては、関係機関との調整に日数を要した結果の影響が説明された。
住民福祉や教育に関心が寄せられた今回の会議はいずれも、地域社会への影響と効率的な行政の運営を意識した内容が盛り込まれた。議会は、これらの議案の委員会への付託を決定し、各種政策の審議を進める方針を示した。