田原本町議会は、令和5年6月6日に定例会を開き、がん患者支援や職員人事、特に小学校統合についての議論が行われた。「がん患者支援について」の質問では、藤井誠人議員ががん患者が尊厳を持ち安心して暮らせる社会の構築を求めた。
藤井議員は、特にアピアランスケアの重要性を指摘し、がん治療に伴う外見の変化がもたらす精神的負担について触れた。町長の森章浩君は、「アピアランスケアはがん患者の安心な社会生活の実現に必要不可欠」と応じた。また、医療用ウィッグ等の補助制度についても言及され、田原本町での導入の必要を訴えた。
職員人事についても議論が交わされ、特に教育職員の人事異動については、西川六男議員が教職員の定数内配置の実施状況を問うた。教育長の山田忠志君は、急激な異動による教育の質への懸念を示し、“教諭の定数配置を強化する必要がある”と述べた。
小学校3校の統合について議論され、教育委員会からの詳細な説明や住民への透明性を求める声が上がった。西川議員は、住民からの反応や議会の説明が不足していることを指摘し、町長が支持した知事選の結果が今後の町政や統合校の整備に影響を与えることにも言及した。
町長は知事選での民意を受け、町政運営に新たな方針を打ち出すことが期待される。山下新知事が誕生し、従来の大和平野中央田園都市構想についての再検討が示唆され、これに対する町の対応が注目されている。
議会ではまた、補正予算や委託業者の選定など、運営に関わる実況が報告され、特に駐車場の管理業務についても、タイムズグループが選ばれた理由が質問された。東京や奈良での制度改革や新しい提案などが討論されたが、議員は特に透明性と説明責任の重大性を訴えた。