田原本町議会は、令和3年3月19日に第1回定例会を開催した。会議では、令和3年度予算案や各種条例について多くの議案が審議され、重要事項が可決された。
この会議では、特に令和3年度の一般会計予算と国民健康保険特別会計予算に関する質疑が目立った。
まず、一般会計の予算案は235億3915万6000円で、前年度比0.6%の増加が見込まれている。予算編成においては、歳出の抑制や財源確保が強調され、地域の再エネ事業や公共施設整備基金の積立が求められた。
寺田元昭議員は「必要性と緊急性を精査し、効率的に配分されているかをしっかり確認する必要がある」と述べ、資源の適正な活用を訴えた。また、吉田容工議員は、歳入の見込みや保険税収入の増加要因について質問し、「令和4年度からの政策にも影響を与えるので正確なデータ把握が必要」と強調した。
次に、国民健康保険特別会計予算に関しても詳細な議論がなされた。この予算は34億2420万2000円に上り、前年度と比較して糾弾が高まった。吉田議員は「マイナンバーカードが健康保険証として利用できるという情報について理解が不十分である」と述べ、透明な情報提供の必要性を訴えた。
さらに、債権管理条例についても審議された。この条項は、債権の管理と放棄についての権限を議会から行政に移行するもので、吉田議員はその目的や必要性に疑問を持った。「債権の自動放棄は法的手続きに反するのではないか」と懸念を表し、真剣な検討を呼びかけた。
また、自転車駐車場条例の改正も盛り込まれ、耳の不自由な方々への配慮が求められた。この点に関しては、梶木裕文議員が「モニターを使った対応を検討しており、実施が求められる」と述べ、障害者への配慮を改めて強調した。
議員からの意見や討論を経た後、全ての議案は原案通り可決され、町長の森章浩氏は「町政全体にわたる貴重な意見をしっかり反映させ、今後の行政運営に活かしていく」と述べ、会議を締めくくった。