令和3年9月6日に開催された第3回定例会において、重要な議題が議論されることとなった。
主に議論されたのは、議案第97号の撤回についてである。この議案は、9月1日に市長の金澤秀三郎氏から撤回が申し出られた。理由は、相手方の長崎丸善運輸株式会社が仮契約を解除したためだと金澤市長は説明した。議会は議案の撤回を異議なく承認し、日程から削除することが決定された。これにより、市の議案運営に新たな影響が出る可能性がある。
また、令和2年度の雲仙市決算に係る健全化判断比率及び資金不足比率の報告も行われた。報告は議案第9号として上程され、質疑応答の時間が設けられた。報告書には、健全化判断比率や資金不足比率など、財政状況に関する詳細な情報が含まれており、議員たちから多くの質問が寄せられた。その中で、坂本弘樹議員は、農業振興のための資金造成について質問し、農林水産部長の久米重治氏が具体的な数値と負担割合を示した。特に、農業の安定に向けた施策が市の予算からどのように反映されているかが強調され、今後の取組みについても期待が寄せられた。
さらに、市の下水道事業の決算報告なども行われた。この件に関しては、市民からの使用料に関する意見が多く取り上げられ、環境水道部長の竹田義則氏が答弁に立った。特に、施設にかかる赤字については市民の負担増という視点からも厳しい意見があり、施設の運営について根本的な見直しが求められた。議員たちは、利用者負担の見直しや収益改善の必要性を訴え、今後の施策に対する議論を続けていく意向を示した。
会議の終盤では、新しい過疎法に基づく計画の策定についての議案が提案され、今後の地域振興のために必要な施策として意見が交わされた。また、令和3年度の一般会計補正予算の案も取り上げられ、詳細な説明と質疑が行われた。これにより市の財政運営に対する理解が深まることが期待される。
全体を通じて、今回の定例会では、地域の過疎対策や財政健全化に向けた具体的な施策が中心に議論され、今後の取組みへ向けた道筋が示された。議員たちの様々な意見や市民との意見交換を通じて、地域振興や市政の透明性がより一層促進されることを望まれる。