令和3年第1回定例会が開かれ、さまざまな議案が審議された。
特に注目されたのは、議案第3号の「雲仙市地熱資源の保護及び活用に関する条例の制定」である。小田孝明議員(17番)は、地熱発電の可能性について言及し、「自然エネルギーの利用が進む中で、雲仙市も地熱資源を活用すべきだ」と主張した。その利用によって、地域の活性化や雇用の創出が期待できると強調した。
また、環境水道部長の竹田義則氏は、条例案作成に際して長崎大学の専門家と協力したことを報告し、九州各地の成功事例をモデルにしたと述べた。温泉地等での発電の具体例として、九重町や指宿市の条例を参考に進めているという。また、発電所の設立により約30名の雇用創出が見込まれると説明した。
次の重要な議題は「観光団体等育成補助金」である。浦川康二議員(11番)は、観光振興のために設立される新たな団体の位置づけや、補助金の使途について質疑を行った。観光商工部長の谷川裕行氏は、補助金の目的は「観光地域づくりを推進する新しい組織を立ち上げることであり、その財源として1,442万円を計上している」と説明した。新組織は、雲仙、小浜の観光事業者が中心となり、広範な観光戦略を持って運営される見通しだ。
市長の金澤秀三郎氏も、新組織の設立は「観光業の活性化に必要な施策」と位置づけ、地域全体で協力して進めることの重要性を明言した。また、過去の不透明な資金運用への懸念から、透明性の確保を図る方針も示された。さらに、観光施策は地域全体の産業に関わるため、全市民がメリットを享受できるよう、今後の運営をより明確にしていくことが求められる。
最後に、令和3年度一般会計予算案の審議も行われ、その中で各部門への支出計画が明示された。特に教育や福祉関連の施策に重点を置き、地域住民の生活向上を目指すとともに、持続的な地域社会の形成に寄与する内容が盛り込まれている。