令和5年6月16日に開催された第2回定例会では、市政全般にわたる一般質問が行われた。
特に、平野利和議員の透析患者に関する質問が注目を集めた。透析治療が受けられる医療機関が少なく、市民からの相談が多いことを指摘し、国見町から愛野町までの地域でこうした医療が受けられない現状を改善するための対策を求めた。市長の金澤秀三郎氏は、「透析治療ができる医療機関の増加は課題であり、医師の確保や必要な医療設備の導入が必要とされる」と述べ、南高医師会との協力を進める意思を示した。さらに、透析患者の人数は近年一貫して135人程度で推移していると報告した。
次に、環境行政への言及があり、小水力発電に関する視察結果について紹介された。平野議員は、地域活性化につながるモデルケースとして小水力発電の導入に関心を示した。環境水道部長の竹田義則氏は、小水力発電の採算性について言及し、地域の持続可能性とエネルギー問題の解決策として前向きな姿勢を見せた。
観光行政に関しては、空き家問題が取り上げられた。平野議員は、観光地としての雲仙温泉街における空き家の問題を指摘し、都市計画と連携した対策の必要性を訴えた。観光商工部長の松下隆君は、空き家の現状把握と活用方法について前向きな対応を寄与する意向を伝えた。空き家を地域資源として活用し、地域の魅力を高める方針が示された。
人事に関する質問では、職員の異動についての議論が行われた。平野議員は、近年の急な異動が職員の負担増につながり、住民サービスに影響を与えている可能性を指摘した。市長は、「職員の育成や適材適所の配置が重要である」としながらも、業務効率を考慮し職員数の増加は難しいとの見解を示した。人事異動の有効性を強調しつつ、職員の健康管理と支援体制の整備に努める方針が語られた。