令和5年9月29日、雲仙市で開催された第3回定例会では、市民に関連する重要な議案が多数議論された。
中でも注目されたのが、議案第38号「雲仙市印鑑条例の一部を改正する条例」である。この改正により、今後市民はコンビニエンスストアで各種証明書を受け取ることができるようになり、市民利便性の向上が期待されている。総務常任委員会の渡辺勝美委員長は、質疑応答の中で新たな手数料負担はないと説明し、「全会一致で原案通り可決される見込み」との見解を示した。
また、議案第39号の損害賠償の額の決定及び和解については、過失割合に対する激しい議論が展開された。矢﨑勝己議員は、この議案に反対し、過失割合が6対4であることに異議を唱えた。彼は「明らかに事業者の側に重大な過失があった」と強調した。このような意見に対し、産業建設常任委員会の坂本弘樹委員長は、原案通りの可決を主張したが、議会内での意見の分かれが見られた。
さらに、請願第1号に関する議論も盛況であった。消費税インボイス制度の実施延期を求める意見書が提案され、多くの議員がその必要性を訴えた。請願に賛成した矢﨑勝己議員は「中小事業者への負担が過重になる」と指摘し制度の適用を待つべきとした。一方、平野利和議員は制度の必要性を強調し、反対討論を行った。結局、この請願は不採択となったが、議論の中で制度の影響については多くの意見が交わされた。
その他、令和5年度の一般会計補正予算案に関する議案や、多数の認定事項も全会一致で可決された。その中で、生活困窮者支援体制やアクセシビリティ向上に向けた施策への支持が示された。さらに、施設整備状況という点でも、今後の市政運営への期待が寄せられた。
今回の定例会では、その運営の中で、新しい施策の導入や、既存の法令の見直しが行われ、市民生活にとって意義深い議論がされる場となった。市長の金澤秀三郎氏は、議員の皆様への感謝の意を示すと共に、今後も市政の進展に努力していく姿勢を強調した。