令和3年第4回定例会は、雲仙市における重要な問題が議論された。特に国道57号の災害復旧や望洋荘の休館経緯について、地域の声が強く反映された議論が繰り広げられた。
国道57号の富津大浜地区は、昨年8月に発生した豪雨によって路肩が崩壊した。元村康一議員は、事故状況と復旧工事の概要について質問し、金澤市長は復旧に向けた取り組みを強調した。特にこの地域は運搬路としての役割を果たしているため、迅速な復旧が求められている。市長は、国土交通省に対し早期復旧を申し入れていることを確認した。
更に、元村議員は望洋荘の休館についても言及した。市民が待ち望んでいた再開が遅れていることを指摘し、市としての説明責任が問われる場面もあった。観光商工部長は、源泉清掃事故の詳細を説明し、今後の再開予定についても言及したが、市民への周知が遅れたことを反省する姿勢も見られた。
公共施設個別施設計画の計画案も議論された。山本松一議員は、特に千々石町公民館の建て替えに関して長期的な視点が必要であると主張し、早急な検討を求めた。教育長は、周辺の公共施設との統合や駐車場確保の問題など、多角的な視点でのアプローチが必要と答弁した。市民が安心して利用できる施設整備の重要性が際立った。
農業や観光業への支援策に関する質問も多く、原油高騰による影響が特に懸念された。農林水産部長は、燃油使用量の増加について触れるとともに、国の支援策であるセーフティーネット事業の具体的な内容を説明した。この事業への加入率は高くないものの、今後の取り組みを通して事業者の支援強化を図る姿勢が示された。
観光業においても、原油価格上昇の影響が及んでおり、燃料代が観光施設の運営を圧迫していることが明らかになった。部長は、特別相談窓口を設置し続けていることを通じて、業界全体の支援に努めていることを述べた。これらの議論を通じて、緊急の課題に対して市としての迅速な対応が求められていることが浮き彫りになった。
こうした問題の解決に向け、議会の意見が国や県に対しても重要であるとの認識が市議会内で共有された。実施計画が提案され、稼働が見込まれる見込みの中で、地域活性化に向けた具体的な行動が求められている。