令和3年8月26日、雲仙市で第3回定例市議会が開催された。議会では、豪雨による災害報告とその影響への対策が中心テーマとして取り上げられた。
市長の金澤秀三郎氏は冒頭、先の豪雨災害について報告した。8月の大雨により、雲仙市では216件の災害が確認され、そのうち市民3名が命を奪われた。特に、雲仙岳においては314.4mmの降水量の4倍にも当たる1,290.5mmが観測された。
金澤市長は被災者へのお見舞いの意を表し、救助活動に尽力した自衛隊や消防団への感謝も述べた。また、国や県からの支援を受け、速やかな災害復旧に取り組む方針を強調した。
続いて、新型コロナウイルス感染症に関連する問題が取り上げられた。金澤市長は県内の新規感染者数が急増していることを報告し、県の緊急事態宣言の下での市民への感染防止対策の徹底を訴えた。この背景には、ワクチン接種が進む一方で、市内の感染者が22名を超える状況があるという。
また、雲仙市では、8月11日から20日にかけて行った「第12回南串山ふるさと夏まつり」は、オンライン方式での実施に変更し、安全策を講じながら地域活性化を図ったと報告された。この取組みは、新型コロナウイルス感染症の影響に対応しつつ、高まる市民の文化的なニーズにも応えるものであった。
この日、議会では令和2年度の決算報告も行われた。総務部長の松橋秀明氏は、一般会計の歳入総額が446億8,084万円、歳出総額が426億6,094万円となり、実質収支が黒字であることを強調した。特に、急増するコロナ関連施策の影響を受けながらも財政は健全に運営されていることが評価された。
さまざまな議案も審議された中で、特に利害関係にかかわる条例改正が相次いで提案され、合理化された行政運営が期待されている。議案第66号の議論では、新型コロナウイルスの影響に関連する補正予算が提案され、感染拡大防止に向けた協力金の支給が決定された。
今回の定例会では、災害対策や感染症対策の重要性、そして市民生活の安定化に向けた取り組みの必要性が再確認された。議会は9月22日まで続くことから、今後の議論に市民の関心が寄せられることは間違いない。