令和4年6月17日に開催された対馬市議会定例会では、市政に関する一般質問が行われた。
出発点となったのは市長の比田勝尚喜氏による観光振興に向けた施策の説明である。観光振興策の一環として新たに開館した対馬博物館について、議員から動線改善や無料入館期間の設定の要望が多く寄せられた。
議員の波田政和君は、博物館の玄関が裏通りにあることや、観光名所を巡る際の順路表示の設置について指摘を行った。また、地域住民のために観光地の魅力を向上させる施策を模索することの重要性も訴えた。市長は、「皆様に満足してもらえるように、今後のプランをしっかり組み立てていく」と述べ、具体的な対策についての議論を進める意向を示した。
続いて、厳原南地区のアクションプランについても言及された。このプランは、地域住民の意向に沿った形で道路整備や公共トイレの設置、無料バスサービスを推進することを目指している。市長は、「地域のニーズを大切にしながら、住民主体の施策を進めていく」という姿勢を強調した。
また、公衆トイレの整備についても議論が行われ、消防団分団庫のトイレを有効活用する提案がなされた。これに対して消防長は、現在は屋外からの利用が可能な施設もあることを示し、地域との調整によってトイレの設置が可能である可能性を示唆した。
観光における重要な要素として、訪れた人々が使うトイレの整備について常に意識する必要があるとの観点が提示され、今後の取組に期待が寄せられた。
波田議員は、入館料の無料化を提案し、博物館の利活用促進のためには、まずは地域住民が気軽に訪れることができる環境作りが肝要であると述べた。市長は、入館料金を無料にする期間の設定を今後の課題として捉える意向を表明した。
ここで紹介される内容は、今後の観光政策に大きな影響を与えるものであり、市民の期待を集める施策となることが求められる。市としても、引き続き観光の振興や地域活性化に向けた制度設計を進めることが望まれている。