令和元年9月19日、対馬市議会定例会が開催され、市政一般質問が行われた。在席の議員たちは、対馬市の観光業や市営住宅、新たな条例の議案について多岐にわたる質問を行った。
議員の中で特に注目を集めたのは、自動販売機に関する設置利用料の問題である。議員の小田昭人氏は、対馬市が所有する土地や建物に設置されている自動販売機の利用料金について、過去15年間での改訂がなされていない現状を指摘した。現在の利用料は、条例に基づき多くが月額1万円とされたままであるが、使用料が3000円という例も存在している。この矛盾が市の不透明な行政運営を示しているとして、今後の条例改正に期待を寄せている。
また、美津島町の市営住宅計画についての質問もなされた。小田氏は、過去に解体なされた市営住宅跡地への新設計画が進められることや、既存住宅の老朽化問題の解決が求められていると語った。市長の比田勝尚喜氏は、市営住宅等の長寿命化計画において新たに建設することを考慮していることを答弁した。
観光誘致についても多くの議論が交わされた。市の繰り返し行われる計画に対して、議員の波田政和氏は、観光誘致の基礎となる観光地の整備が重要であると提言。特に豆酘地区の観光整備に期待を寄せ、地元の要望を反映した観光地の整備が必要だと強調した。また、万松院の整備に向けた取り組みについても言及され、観光促進に向けた具体策が求められた。市長は、県との協力のもと地域住民と連携を取りながら整備を進めていく意向を示した。
一方で、国に対する観光出国税の還元を求める声も上がり、この資金を県と市に還元させる仕組みが模索されている。それにより観光施策の一環として財政的な支援を強化し、観光地の魅力向上に寄与する方針が取り上げられた。今後の議会においても同様の議論が続くことが予想される。特に観光業の振興に関しては、具体的な数値目標が求められ、議員たちの要望がどのように実行されていくのか、今後の成果が注目される。