令和2年9月16日に行われた対馬市議会の定例会では、市政一般質問が実施された。
議員の長郷泰二氏は、新型コロナウイルス感染症が経済に与える影響について質問を提起した。特に、感染拡大防止と経済再生を同時に実現する必要性を強調し、検査と医療体制の整備を求めた。また、ステイホーム時代の新しい消費動向に適した販売方法の構築についても言及し、どのような支援策があるのかを問うた。これに対し、市長の比田勝尚喜氏は、PCR検査ができる施設については、既に県内の医療機関で検査体制を整えたと説明した。
また、販売方法の構築については、特にインターネット販売を促進する方針が示された。市長は、地元産品振興のために、農協の移動販売やネット販売など、柔軟な販売手段の確立を進める考えを述べた。さらに、真珠業界については、記者からの指摘を受けた上で、市独自の利子補給も視野に入れた融資支援の検討が行われる見通しが示された。
帰省客特典事業については、長郷氏がタイミングを問うと、市長はこのプロジェクトの目的について説明した。首都圏からの帰省客に対して地域産品を提供することで、地域の経済活性化を図るものであり、感染症による影響を考慮しながら実施しているとした。
教育長の永留和博氏は、金田城跡に関する質問に回答した。石垣の崩落に関して、歴史的価値を持つ金田城の保存状態が問題視され、補強策として隣接する石塁の保護策が取られたことを説明した。しかし、崩落に関する具体的な修復計画については、予算の制約があると認めつつも、必要性を訴えていくとした。
また、海洋保護区の管理計画についても質問が寄せられ、資源管理のための共同体制の重要性が指摘された。市長は、地元漁協との協力による持続可能な資源管理が必要であるとの認識を示し、さらなる具体的な施策に取り組む意向を述べた。