令和2年11月30日、対馬市議会において第3回臨時会が開会された。議題には、損害賠償額の決定に関する専決処分の承認や2020年度一般会計補正予算などが含まれている。
市長の比田勝尚喜氏は、新型コロナウイルス感染症に関する現状を報告した。8月以降、新たな感染者は出ていないが、冬に向けたインフルエンザの流行が懸念されるとの考えを示し、市民に感染予防の徹底を呼びかけた。
特に注目されたのは、損害賠償に関する専決処分の合計4件である。上対馬町において台風によって発生した損害に関し、149万9,740円の賠償額で最終的に示談が成立したことが報告された。市の関係者によると、仮復旧が進められ、本復旧の算定は12月上旬に完了する予定であると述べた。
本臨時会では、さらに令和2年度補正予算が4件審議された。これには、一般会計のほか、診療所特別会計、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計、旅客定期航路事業特別会計が含まれており、それぞれに新型コロナウイルス対策や人的リソースの確保など、重要な内容が含まれ、それに対する承認が行われた。
特に新型コロナウイルス感染症対策に関しては、対馬市内の医療機関の確保状況も報告された。軽症者の宿泊療養施設が26室確保されている他、行政も今後検討を進める様子である。議員からは今後の影響や医療体制についての質問も寄せられ、特に軽症患者の受け入れに関する不安の声もあがったが、担当部長は医療体制を維持し、必要に応じた対策を講じる意向を示した。
議案の採決において、全ての議案は異議なしで可決された。市長からは、議決への感謝の言葉が述べられ、市政の運営に対する指示があった。議員らは、納得のいく形で今回の臨時会を終え、創造的な議論を経た上で市民の生活向上に努めていく必要があると確認した。
本会議を通じて、対馬市は新型コロナウイルスによる影響を鑑みながらも、地域の経済と市民生活を守るための取り組みを進めていることが再確認された。市は今後も変わらず市民の健康と安全を最優先に、各施策を進めていく方針である。