令和5年12月7日、対馬市議会は第4回定例会にて市政一般質問を行なった。議員は大きく4つのテーマに分かれた質問を通じ、豊地区の涵養ミニダム、道路里親制度、不登校やいじめの現状、さらに虹の原特別支援学校の進め方について市長と教育長に質疑した。
まず、豊地区の涵養ミニダムについて、春田 新一議員は「ダム内のしゅんせつが必要である」と訴えた。市長は、ミニダム内の土砂堆積を把握し、今後の現地調査を通じた対応を約束した。行政が地域住民と協議し、必要な手続きにより、ダムの機能を維持していく方針を示した。また、特に高齢化が進む地域で、ダムの維持管理が困難であるため、行政仕分けも含めて、定期的なメンテナンスを行う必要性を強調した。
次に、春田議員は道路里親制度を導入すべきとの提案を行ない、市民団体や企業との協働を促した。市長は、これに対して「地域との協力を得て進めていきたい」としつつ、事故や安全性についての懸念も表明した。具体的には、地域住民やボランティア団体と協力し、道路の美化や管理を行うための枠組み構築に努めるべきとの考えが示された。
教育長は不登校やいじめの問題について、最新の調査結果を紹介し、不登校の生徒数は年度によって変動はあるものの安定していると述べた。特に、対馬市の不登校児童数は全国平均よりも低い水準であることが報告された。いじめについても、認知件数が少なく、解消率は100%であるとした。しかし、教育長は「いじめが表面化していない可能性がある」とも指摘し、引き続き適切な対応を求めた。加えて、アウトリーチ型の支援を通じて、微細な問題の早期発見を目指していくとした。
山間地域の需要もあり、虹の原特別支援学校の設置についても言及し、北部地域の児童に対して特別な支援が必要である点を強調した。県と協議し、必要な教員数の配置に向けて尽力する意向を表明した。議員からは、保護者や地域の声をよく聴きながら進めていくこと、連携を深めることの重要性が改めて確認された。
市政全般にわたり多岐にわたる質問が行われたが、住民の意見をしっかり受け止め、地域の特性やニーズに応じた対応が求められている様子がレポートからも伺えた。