令和2年第1回対馬市議会臨時会では、観光客誘致のための補正予算が審議された。
市長の比田勝尚喜氏は、観光業の現状を踏まえ、緊急性のある施策が必要であると強調した。特に、昨年の韓国との関係悪化が対馬経済に影響を与えたことを挙げ、特別な支援を求めた。
日程の中では、専決処分の承認として令和元年度の一般会計補正予算(第7号)が扱われた。この予算は観光客誘致を目的とした対策を含めており、総額32億6,383万円を超える見込みである。観光活動の一環として、ビジネスパートナーとの連携強化が進められる。
続いて提案された承認第1号及び議案第1号について、総務部長の有江正光氏が詳細を説明した。具体的には、対馬観光クーポン券事業などが含まれており、訪問者に対する宿泊、飲食、交通面での支援策が講じられる予定である。クーポン券は、訪問者が宿泊すれば1泊ごとに購入可能であり、2冊までの制限が設けられている。
一方、観光交流商工部長の二宮照幸氏は、観光情報の発信強化のための新たな連携プランについて詳細を述べた。特に、行政が推進する公共トイレの整備や観光案内板の充実を図る具体的な計画が進んでいることを明らかにし、地区ごとの観光施設の整備に力を入れる必要性を訴えた。観光トイレ整備事業は、完全自己処理型水洗トイレを導入することにより、清潔さを保つことが期待される。
さらに、農林水産部長の佐々木雅仁氏は、対州そば振興に関する取り組みとして、国の支援制度を活用した農業振興策を提案した。特に、農業の活性化による地域経済への寄与を目指し、サポート事業が展開される旨を説明した。農業支援に関する質疑では、議員の長郷泰二氏が生産性向上のための対策を求め、具体的なデータでの回答を引き出した。
また、地鶏生産の復活についても議論がなされ、農林水産業における成長を見込んだ施策の重要性が加味された。市長自らが新たな展望を持って取り組む姿勢を示し、地域経済の振興に寄与する姿勢を明確にした。本会議を経て、それぞれの議案が無事に可決され、今後の対馬市の経済回復に向けた施策が進められることとなった。