令和5年3月2日、対馬市議会において地域課題に取り組む重要な議題が挙げられた。
議員の春田新一氏は、地域老人クラブや高齢者の自立支援について質問を投げかけた。市長、比田勝尚喜氏は、地域老人クラブの数は減少傾向にある一方、活動が地域の幸福度を向上させる重要な役割を果たしていると強調した。現在、対馬市内には92の老人クラブがあり、2,753名の会員が活動している。
春田氏は高齢者が相互に支え合うための活動とその為の行政支援の必要性を訴えた。比田勝市長は、介護予防の自主グループの育成や、老人クラブへの補助金交付を通じてその活動を支援していく考えを示した。
高齢者が向き合う健康問題についても議論が交わされた。市は、介護予防を進める自主グループに対する補助を行っており、現在55のグループが活発に活動している。しかし、各地域の人口減少に伴い参加者が減少することが懸念材料で、参加者の奨励策などが課題とされている。
次に、人材確保と育成に関する各部署の取り組みについて。市は農林水産業や観光業での人材確保を強化し、次世代を担う人材の育成に努めている。特に農業関連では、新規就農者への支援を、林業では個人の技術向上や資格取得促進を図る施策が整備されている。
台風時の避難港対策については、浜久須湾や大増湾のしゅんせつが求められた。これには漁船の立ち寄りや避難時の安全性が影響を及ぼすため、国や県との連携による対応が必要不可欠であると市長は述べた。今後も定期的な調査を継続し、必要に応じたしゅんせつを行っていく方針である。
全般的に、各議員からの質問に市長は具体的かつ前向きな答弁を行った。地域の課題解決に向けた行政の姿勢が明確化されたこの議会を通じ、対馬市の未来に向けた取り組みが期待される。