令和5年3月3日の対馬市議会定例会にて、様々な議題が取り上げられた。
特に空き家問題と教育関連施策は目立ったテーマとなった。陶山荘太郎議員は、対馬市の空き家対策について質問し、空き家問題が特に深刻な現状にあることを指摘した。市長の比田勝尚喜氏は、現在約3000棟の空き家が確認され、空き家率は18.5%に達していると述べ、無管理な空き家に関する対応策を検討していることを説明した。加えて、今後の法改正を踏まえ、空き家の利活用や解体等に関する助成制度も強化する必要性があることを認識しているようだ。
また、陶山議員は地域社会における教育の充実とコミュニティ・スクールの推進についても質問。教育長の中島清志氏は、対馬市では佐須奈小中学校を中心にコミュニティ・スクールを設置し、地元住民との連携を進めているとの報告があった。しかし、地域における社会教育団体の活動が新型コロナの影響で鈍化していることも課題として挙げられた。
その後、作元義文議員は漁港の防風ネット延長と阿連町の道路整備に関する要望を行った。市長の比田氏は、防風ネットの設置には地域住民の合意が必要であること、そして道路整備は難しいとの返答を行った。
さらに、真珠業界についても質問があり、真珠生産が好調なことを評価しつつ、ブランド化とPR不足が課題であることが指摘された。市長は、真珠のブランド化には品質の向上が不可欠であり、まずは対馬産の真珠をより多く販売できる市場を開拓することが大切であると述べた。
最後に新型コロナウイルスの5類移行後における観光イベントの再開に関する提案も挙がり、藤酔い祭りの復活についても言及された。市長は、観光振興策を今後考慮する中で、地域の商業活性化に寄与するイベントの重要性を強調した。全体を通して、対馬市の議会は現在の社会状況に真摯に向き合い、地域のニーズに応じた施策の推進に注力している姿勢を見せた。