令和6年3月18日、対馬市議会の定例会が開かれ、市政一般質問が行われた。この日の議題は、特に人口減少とそれに関する施策に関する意見が多く交わされた。
伊原徹議員（明政クラブ）は、2023年1月末の国内人口動向について言及した。関東・関西を中心に転入超過が続く一方、地方は厳しい現状に直面しているという。特に、長崎県の一部市町では生産年齢人口の減少が深刻な課題となっており、伊原議員は対策を尋ねた。
市長・比田勝尚喜氏は、対馬市の人口減少に伴いさまざまな取り組みを行っていると応じた。島外からの進学や就職による流出を抑制するため、U・Iターン推進事業の関連施策を強化し、地元企業の求人促進のための合同企業説明会を設けるなどの活動を進めていると強調した。
次に、少子化対策についても触れられた。伊原議員は、デンマークが子育て支援で高い評価を受ける中、日本が国の施策を受けてどのような支援を行う予定かを尋ねた。市長は、児童手当や医療費の助成に取り組んでおり、経済的負担軽減を図る政策を進めると述べた。
さらに、SDGs（持続可能な開発目標）に選定された対馬市の取り組みについても質問があった。市長は、SDGs未来都市に選ばれたことが地域活性化に繋がっているとし、具体的には海ごみ問題の解決に向けた事業を進めていることを報告した。
市民生活の視点からも市の取り組みの評価が求められ、伊原議員は各部局間の連携を求めた。市長は、情報共有や予算策定の過程について説明し、地域のニーズに応じた施策づくりの必要性を強調した。
この日、議会は厳しい現状を公式に認識し、今後の施策に反映させるための議論が活発に行われた。多くの参加議員が市長に対し、地域活性化と共生社会の実現に向けた具体的な施策を求めており、議論は市の未来に向けた重要な基本方針となっていくことが期待される。