令和６年第２回対馬市議会定例会が、６月１８日に開会された。この定例会では、経済回復に向けた市長の行政報告が行われ、特に物価高騰や住民支援の必要性について言及された。
市長の比田勝尚喜君は、長崎県の景気回復に伴い、対馬市の経済も緩やかに回復していると述べる一方で、物価高騰による住民負担増加にも触れ、国と連携した定額減税や住民税非課税世帯への支援を進める考えを示した。
多くの議員が市民生活に直結する税制や福祉政策の重要性を指摘した。特に、神宮保夫君は、「物価高を緩和する施策が急務」とし、国への適切な要請を求めた。
また、農林水産部関連では、長崎県乾しいたけ品評会の成功を報告し、若手生産者の育成に対する期待が寄せられた。坂本充弘君は、新しい参加者の登場がもたらす影響を評価し、今後の取り組みの重要性を強調した。
入江有紀君に対する懲罰動議も討議され、彼の発言が議会の品位を損なうものであったとして、懲罰を求める意見が多数を占めた。懲罰特別委員会では、入江君は出席せず、自己弁明の場を持たない姿勢をとったことで、議員間の協力が試される結果となった。
総務文教常任委員会による調査でも、人口減少対策についての進捗が報告され、Ｕ・Ｉターン推進事業の成果が見えてきたことが示された。しかし、空き家問題などの課題が継続して存在していることも指摘された。
最後に、市長は所信表明で人口減少対策や地域経済の活性化を重要な政策課題として挙げ、特に「誰一人取り残さない未来への挑戦」が最重要であると強調した。人口減少の影響を受ける中、地域の活性化を図りつつ、環境保全や文化継承の推進も重要であると示した。また、具体的な施策として、質の高い教育や地域医療の充実、環境問題に対する取り組みも掲げ、持続可能な島づくりのヴィジョンを語った。
今後の定例会では、これらの議題がさらに深掘りされ、市民に寄り添った施策を実現するための協議が進められることが期待される。