令和6年第1回対馬市議会臨時会が1月26日、開会した。
今回の主な議題は、令和5年度対馬市一般会計補正予算に関するものである。市民生活への影響が大きい物価高騰に対応するため、特別な支援策が盛り込まれている。
市長、比田勝尚喜氏は開会挨拶で、能登半島地震により被災された方々に哀悼の意を表するとともに、対馬市が支援を行うことを約束した。また、今回の補正予算は、エネルギーや食料品価格の高騰に対応するために策定されたもので、具体的には総額1億4298万4000円の追加となる見込みである。
補正予算に基づき、民生費、農林水産業費および教育費等が対象となった具体的な支援内容について、各部署の部長より詳細な説明が行われた。例えば、農林水産部長の黒岩慶有氏は、繁殖農家の支援対策として5万4000円を給付するとし、その根拠として全国平均価格や既に発動された生産者補給金を明らかにした。
さらに、福祉部長の田中光幸氏は、社会福祉施設へ物価高騰対策支援事業を通じて253万8000円を計上し、安定したサービスを提供できるよう支援する方針を示した。教育部長の扇博祝氏は、学校給食の栄養バランスを維持するための支援金を223万74000円に設定したことを説明した。
質疑応答では、議員からエッセンシャルワーカーの待遇についての提案がなされ、比田市長は将来的な人材確保について検討の必要性を強調した。さらに、物価高騰という厳しい状況を背景に給食の無償化に関する質問もあったが、財源との調整の中での実施の難しさについても言及された。
全体として、各議員からは補正予算に対する評価があり、議案は原案通り可決されることとなった。市長は、急務である災害支援や市政に反映させるべく努力する考えを述べた。本臨時会は、11時44分に閉会となり、参加者は市民生活の充実に向けた議論を進めることを誓った。