令和3年6月29日、対馬市議会の定例会で、重要な市政一般質問が行われた。
議員による質問の中で、まず危機管理体制の強化と防災拠点施設の整備が取り上げられた。特に、現在の厳原庁舎が耐震不適格であるため、防災活動の拠点として適していないとの見解が示され、今後の対策が求められた。この問題に関して市長、比田勝尚喜氏は、内部検討会議を設置し、厳原庁舎の建て替えについて協議を進めていると述べた。議員は、災害時には迅速な行動が求められ、防災拠点の移動が遅れれば市民に危険が及ぶ可能性があると警鐘を鳴らした。
次に、新型コロナウイルス感染症に関する経済対策が質疑された。議員は、補助金や助成金も必要だが、市独自の財源を活用すべきと訴え、特に商工業への支援策について市長に具体的なアクションを求めた。市長は、国や県との連携を重視し、感染拡大防止策を講じると共に、地域事業者への支援策を今後も継続する意向を示した。
また、厳原小学校についても言及がなされ、建物の老朽化が進んでいるため、整備計画が必要であることが強調された。教育長、永留和博氏は、耐力度調査を実施し、今後の整備計画の策定を進める考えを示した。さらに、学校と地域の関係性を強化し、特に小中一貫教育の可能性についても検討する意向が語られた。
最後に、豆酘幼稚園跡地の利活用についても議論が交わされた。放置された状態にあるこの施設を地域振興の拠点として活用するために、様々な方法が模索されていることが明らかになった。市長は、この施設の利活用を地域の活性化に結び付け、市民とともに議論を重ねていくことが重要であると結論づけた。
議会の協議を通じ、市民生活の向上に繋がるさまざまな施策が今後も検討される見込みであり、市民の声に耳を傾けた行政運営が求められている。