令和4年12月9日に行われた対馬市議会の定例会において、議員の脇本啓喜氏が市政一般質問を行った。
脇本氏は、「持続可能な観光の構築」をテーマに、対馬市の観光業が直面する課題について言及した。まず、「対馬市の観光をめぐる安心安全な環境整備」についての質問を提起した。
最近の観光関連事故が頻発している中で、観光バスやマリンレジャーにおける安全な取り組みの強化が求められている。脇本氏は、「安全運行の確保についての具体的な取り組みを行政に問いたい」と述べ、特に観光バス運転手の呼気検査の徹底や運行管理の見直しが必要であると強調した。
市長の比田勝尚喜氏は、観光客需要の回復に向けた施策を進めているとし、「安心安全の確保は必要不可欠であり、交通やマリンレジャーに関して関係機関と連携して取り組む必要がある」と述べた。これは観光環境を整える一環として重要な姿勢である。
次に厳原城下町の景観保全について取り上げられた。脇本氏は、景観を保全するための実効ある規制の実施が必要であると主張し、特に屋外広告物の規制について市の取り組みを求めた。市長は、屋外広告物が町の景観を損なわないように、独自の条例の策定に向けた活動を進めると約束した。
また、石塀や石垣の保全も議論に上がった。脇本氏は、地域の歴史や文化を次世代に受け継ぐために、市が積極的に支援する必要があると主張した。市長は、「石垣の保全は重要であり、個人の負担を軽減しながら進めていきたい」と考えを示した。具体的な補助金制度の導入も期待される。
最後に、国際航路の再開見込みに関する質疑が行われた。脇本氏は、対馬─釜山間の航路再開が待たれていることを強調し、行政側の取り組みの透明性を求めた。市長は、国際語途の早期運航再開に向けて協議を進めており、逐次報告を行う意向を示した。今回の質問を通じて、観光に対する市民や行政の協力の重要性が再認識された。
これらの質疑を通して、対馬市が持続可能な観光地として発展していくためには、安心安全な環境整備と地域の景観保全が不可欠であることが確認された。今後、市民とともに取り組む姿勢が求められる。