令和4年第3回対馬市議会定例会は、9月13日の開会をもって開始された。議事は定足数を満たし、円滑に進行した。
初村久蔵議長は、台風11号による被害を真摯に受け止め、市民へのお見舞いの言葉を述べた。また、次いで市長の比田勝尚喜氏が、行政報告を行い、特に新型コロナウイルスの感染状況について言及した。市内の感染者数は7月から8月にかけて急増し、特に盆期間中の集まり等が影響したという。
市長は「医療従事者の努力と市民の協力に感謝します」と述べ、県による医療機関への負担軽減策を伝えた。9月から新型コロナウイルス感染者数の全数把握の見直しが実施され、市民への理解を求めた。
災害報告としては、7月及び8月の豪雨による被害が報告された。各地で避難指示が発令され、人的被害はなかったものの、床上浸水などの被害が相次ぎ、市長は基幹事業への影響に触れ、今後も地域と行政の協力が重要であるとした。
続いて、長崎県病院企業団の報告が行われた。伊原徹議員が、地域の医療事情について詳述し、特に新型コロナ対応病院の体制拡充に向けた取り組みを報告した。この背景には、感染者急増による医療体制へのプレッシャーがある。
報告された内容の一つとして、令和4年度一般会計補正予算の承認が含まれ、災害復旧や燃油高騰対策が重要課題となることも強調された。市はこの問題に真摯に向き合い、経済対策を講じる必要があるという見解を示した。
教育委員会の点検評価においては、不登校生への支援や地域資源の活用等が挙げられ、今後の取り組みが期待される。また、市長の重点施策として、教育環境の整備が位置づけられ、各施設の充実が求められた。市長は、学力向上及び不登校対策の必要性を市議会で強調し、地域住民に協力を呼びかけた。
報告後、議案第52号から67号が審議され、全て承認を得て可決された。特に、工事請負契約に関する議案では、消防署建設に関する契約の締結が行われ、新たな公共施設が整備されることが期待される。
最後に、日程にあった人権擁護委員候補者の推薦や、義務教育費国庫負担制度の請願も付託され、今後の取り組みが注目される。このように、議会は多岐にわたる議題を扱い、市民の生活向上に向けた施策が進められていることが示された。今後も持続可能な地域社会を築くため、議会と市政が一体となり取り組んでいく必要がある。