令和6年3月8日、対馬市の第1回定例市議会が行われ、様々な予算案が審議された。特に注目を集めたのは、令和6年度の対馬市診療所特別会計予算や国民健康保険特別会計予算である。これらの予算案は、地域の医療提供体制の充実や健康促進に寄与することが期待されている。
保健部長の桐谷和孝氏は、議案第8号、対馬市診療所特別会計予算について詳しく説明した。ここでは、歳入歳出予算の総額が4億6,507万3,000円に設定され、外来患者からの診療収入が計上されていることが強調された。同氏は、地域医療の重要性と診療所の運営に必要な資金の確保について言及。「外来収入が全体の大部分を占めており、これを増やすための施策も必要だ」と強調した。
次に、議案第9号として国民健康保険特別会計予算が提示され、歳入歳出総額は44億1,973万8,000円にのぼる。この中には、国民健康保険税や県補助金が含まれ、安定した保険給付を維持することが目指されている。保険料の見直しなど、さらなる財政の健全化が求められる。
さらに、後期高齢者医療特別会計予算や介護保険特別会計予算についても審議が行われ、社会保障制度の充実が求められている。介護保険予算は、歳入歳出の総額が40億3,893万1,000円とされ、国庫の支援を受けることで更なる拡充が図られる見込みだ。
この日の議会では、地方創生と地域活性化の観点から、旅客定期航路事業や水道事業の予算案も重要とされ、特に水道事業の見直しが話題に上がった。水道局長の舎利倉政司氏は、今後の水道事業の計画とともに、地域住民の生活に密接に関わるサービスとしての重要性を述べている。
最後に、その他の議案として見直しと改正が提案され、指定居宅介護支援事業者や地域密着型サービスの基準等が改正される見込みで、福祉サービスの質向上を図ることが期待されている。市長の比田勝尚喜氏は、「これらの予算と条例の改正が市民生活をより良いものに変えていく」と語り、議員の賛同を得て、議案は全て可決された。