令和元年の対馬市議会定例会が、2019年12月11日に開かれ、市政一般質問が行われた。議員は生ごみ回収事業や対馬島誌について質問し、市長や教育長がそれぞれ回答した。
市議の吉見優子氏は、生ごみ回収事業に関する再質問を行い、市長の比田勝尚喜氏は、「本事業の目的は生ごみを資源として活用し、焼却施設の経費削減と温室効果ガスの排出抑制を図ることです」と説明した。さらに、「生ごみの回収に参加する世帯は、現在1,946世帯となっており、前年よりも81名増加しています。」と付け加えた。
しかし、吉見議員は事業の具体的な成果に疑問を呈し、「生ごみの堆肥化について具体的な言及がなかった」と指摘した。市長は「堆肥化は資源化の一環であり、重要な施策です」と反論しつつも、経費についても考慮する必要があるとの認識を示した。吉見氏は「生ごみ堆肥化が成し遂げられていないことに残念だ」と述べ、より具体的な対応を求めた。
続いて、吉見氏は対馬島誌の発行について質問した。教育長の永留和博氏は、対馬島誌の制作について「昭和の頃からの計画でつくられたものでありますが、新たな発行の検討は難しい状況にある」とした上で、過去の町誌などを活用するように提案した。吉見氏は「新たな対馬島誌の発行が必要である」と訴え、具体的な検討を促した。
一方、過去の質疑に対して市長は、「入会林野整備やツマアカスズメバチの問題については、環境省と連携して取り組んでおり、資源循環と生態系の保全が重要である」と強調した。特に、生態系への影響が懸念されるツマアカスズメバチについては、効果的な防除策が求められているとし、新たな防除手法の導入が必要であると話した。
このように、議会は市政の重要政策について活発な意見が交わされた。市民の声を反映した事業の進捗や新たな取り組みが求められている中、今後の施策への期待が高まっている。議会はまた次回に控え、透明性の高い議論を続けていくことが期待される。