令和2年6月23日、対馬市議会の定例会において、市政一般質問が行われ、市長をはじめとする多くの議員が参加した。
議員の春田新一氏は、市営住宅の改善と子育て支援策について質問した。彼は、対馬市の市営住宅の現状を詳細に説明し、特に上県町の日吉団地の最高家賃見直しの必要性を訴えた。これに対し、比田勝尚喜市長は、公営住宅法に基づき最高家賃の見直しは難しいと回答した。
また、春田氏は移住・定住促進策について言及し、対馬市が直面する少子高齢化に関する課題を挙げた。市長は、令和29年度から設置された「しまぐらし応援室」による様々な支援策を紹介し、具体的な数値データを用いて移住者の増加を示した。
春田氏はさらに、比田勝港の整備に関する質問を行い、港の整備が漁業の効率化や安全性にどのように寄与するかを掘り下げた。この点に対して市長は、県と連携して整備促進に努める考えを示した。
議員の吉見優子氏も市政一般質問を行い、厳原体育館の雨漏り対策とその老朽化について質問した。教育長は、体育館が年数を経てきており、改修の必要性を認めつつも、現段階では使用を続ける方針を示した。
また、吉見氏は宿泊施設における街灯の設置状況や、トンネル照明の整備について指摘し、さらなる安全対策を求めた。
これに対し市長は、街灯の増設やトンネル照明の改善に向けて現在進めている取り組みを説明し、更なる改善に向けた意気込みを見せた。
一方で、大浦孝司氏は観光産業と水産業の危機について言及し、特に新型コロナウイルスの影響が大きく、共済制度の重要性を強調した。市長は、観光事業や水産業の立て直しに向けた施策を進めていく意向を述べた。
市営住宅や移住・定住促進、そして地域づくりに関して多くの議論が交わされた今回の定例会は、対馬市が抱えるさまざまな課題を浮き彫りにした。また、市長や議員がそれぞれの立場から意見を交わし、今後の施策に対する期待も見えた。これからの対馬市の動向に注目が集まる。