令和2年12月に行われた西海市議会の定例会では、松島火力発電所の廃炉方針が中心課題として取り上げられた。小嶋俊樹議員が発言した内容を受けて、市長の杉澤泰彦氏は廃炉方針が地域経済に与える影響を考慮し、発電所の存続に向けた要望を国に対して行ったことを報告した。
杉澤市長は、国のエネルギー政策に従い、松島火力発電所の高効率な設備への更新を要望していることを強調した。更に、松島の存続が地域経済に不可欠であり、洋上風力発電と共に「脱炭素社会に貢献するまちづくり」を進めていることも強調されている。特に、松島火力発電所の高効率化とカーボンリサイクル技術の導入については、国や電源開発に積極的に要望していく方針だ。
また、大瀬戸地区の住民との情報交換は現在未実施であるが、市長は今後積極的に住民の意見を聴取し、情報提供を行う考えであると言及した。さらに、電源開発が取り組む技術を本市でも導入するよう要望していく考えを示した。これに対して小嶋議員は、地域住民や関連事業者との連携が重要であると再三強調し、安定した発電が地域経済を支えると訴えた。
その後、杉山誠治議員がデジタル化の進展について質問をし、特にマイナンバーカードによる行政手続きの効率化に向けた取り組みを求めた。市は現在、マイナンバーカードの取得率が22.7%に伸びたと報告し、デジタル化は今後の必然であると答えた。
杉山議員は、コロナ禍で影響を受けた経済についても質問し、市内経済の現状分析を求めた。市長は、緊急経済対策として総額6億円を計上していることを述べ、各種施策が市民の支持を受けていることを例示した。
最後に、教育長は不登校の児童生徒数が増加していることを報告し、適応指導教室やスクールカウンセラーによる支援を強化する方針を示した。市としては、地域での包摂的教育環境づくりを進めていく必要があると考えている。