令和6年第2回西海市議会定例会が行われ、市民の安全や地域振興に関する重要な議題が討議された。特に、長崎オランダ村や旧長崎オランダ村Cゾーンの利用問題について活発な意見交換があった。
長崎オランダ村株式会社との訴訟の進展について、杉澤市長は、民間企業との交渉が難航していることを示し、早期解決を目指していると述べた。訴訟の背景には、同社からの損害賠償請求があったことが影響し、市としては明け渡しを求める立場にある。市長は、双方の意見を尊重しつつ、最善の解決策を模索していると強調した。
旧長崎オランダ村Cゾーンに関しては、解体工事が進行中であり、建物の老朽化や海洋への流出リスクが具体的な懸念材料として挙げられた。議員たちはこの解体に対する財政的な負担を問題視し、その必要性を問い直す意見もあった。市長は、地域の安全を確保し、不測の事態を避けるために解体を進める必要があると応じた。
崎戸町では、唯一の民間医療機関が閉院し、地域住民の医療アクセスが懸念されている。市は訪問看護サービスの拡充を計画し、地域のニーズに応じた支援を充実させる意向を示した。市長は、高齢者が多い崎戸町に特化した対策を検討していると述べ、訪問看護ステーションの役割を重要視している。
さらに、議員からは新設された横断歩道の安全性についての質問があり、警察との協議の結果、監視や注意喚起を強化する方針が示された。一方で、信号機の設置が求められており、市長は今後も安全対策を引き続き検討すると述べた。
崎戸歴史民俗資料館の改修に関しては、展示の充実や快適性向上に向けた取組が進められているとの答弁があり、来館者数の増加を目指す方針が強調された。市長は、地域の歴史を大切にしつつ、観光資源としての活用を図る必要性を認めている。市は今後も、地域の観光振興に努めるとした。