市長の杉澤泰彦氏は西海市の現状について、人口減少の深刻さを訴えた。特に地域間の経済格差や地域医療、福祉の充実度に関する課題を挙げ、効率的な支援策の必要性を強調した。
西海市には急速な人口減少が影響を及ぼしつつあり、外部からの企業誘致や移住対策を実施してきたが、依然として依存度は高いとのことだ。市長は今後も工業団地の整備など外部環境を考慮した施策の継続を誓った。
具体的には、農業、漁業、商業、福祉、教育といった各分野で直面している課題に対して、市民生活の向上につながる施策を検討する方針だ。市長は短期的な施策だけでなく長期的な視点も重要視し、地域全体の活性化を目指す。
さらに、新学習指導要領の実施に向けた教育活動についても言及した。新たな教育内容について、教員の不安を解消し、円滑に授業を展開するための施策が進められているが、必要な教材や環境の整備は存続の課題である。特に、新たなICT環境の整備を進める中で、子どもたちが安心して学び続けられるよう、教員同士の情報共有や地域との連携も図る必要があるとした。
市役所内での職員の不祥事についても触れた。市長は、職員が自覚を持ち、管理職がしっかりとした指導を行うことが重要であり、今後はコンプライアンス研修等によって再発防止に努める考えを示した。また、具体的な管理責任の強化も求められる。
介護・福祉・医療の充実も重要なテーマであり、特に地域医療の確保は高齢化社会において大きな課題である。この方向性について、市長は具体的な施策を練りつつ、市民の生活の質を向上させる取り組みを進める必要があると強調した。
地域の特性を生かした商品開発や、地場産業の振興にも力を入れ、特にオリーブの特産品化など、地域資源を取り入れた創造的な活動を促進する方針を打ち出した。