令和2年第1回西海市議会定例会では、さまざまな市政課題が議論された。この中でも特に注目を集めたのが、地域医療や危険空き家の対応、さらには新規就農者支援事業についての各議員からの提案である。
内野繁樹議員は地域医療の課題について質問した。具体的には、本市で医療空白地帯が生まれる可能性や、民間医療施設の活用方針について問うた。杉澤泰彦市長は、医療プランの策定に向けて現在進行中の医療検討委員会の意見を尊重しつつ、民間医療機関の支援が重要であると述べた。また、市内医療機関の高齢化に危機感を持っていることを強調した。
次に、危険家屋の対応についての質問も行われた。内野議員は、空き家の倒壊リスクが住民に与える影響について指摘し、市がどのような具体策を進めているかを問うた。杉澤市長は、所有者への助言や指導を行い、一定の実績を上げていることを示したが、残る246件の相談に対する対応には依然として課題があると認識している。市は今後も特定空き家について積極的な対策を推進する方針を示した。
また、江島地区・平島地区の活性化策についても議論が交わされた。観光業の振興が地域振興の要素であることが確認され、江島地区へ観光客を誘致するための施策が求められている。市長は、新たな観光パンフレットの作成や、地域資源を活用した観光イベントの企画について発言し、さらなる振興策の強化を約束した。
さらに、新規就農者支援事業の設立に関する意見が多く寄せられた。報告によると、市は農業技術の習得や研修施設の充実を進めており、地元企業との連携を強化している。今後、より多くの農業者が横のつながりを持つことが期待されている。また、農業に加え、地域住民とも連携したさらなる支援制度の検討が必要との意見も強く、植物の栽培に関する具体的なプログラムの整備が要望されている。
最後に、空き家情報バンクの現状についての議論も行われ、登録件数の推移と課題が確認された。市は市民から寄せられた多くの相談を受け、空き家対策をさらに推進する必要があると認識している。施設の整備や利用促進を計画することで、新たな移住者を呼び込むことが目指されている。
これらの議論を通じて、地域医療の安定化や住環境の確保、農業振興に向けた効果的な施策の実施を求める声が市議会で強くなったことを市は重く受け止め、今後の取り組みの充実に活かす必要がある。