令和2年3月3日、仲間の頑張りを受けてあらたな課題が浮き彫りにされる西海市議会が開催された。議会では、人口減少の解決と、ひきこもり問題が主なテーマとして挙がり、多彩な意見が交わされた。
市の杉澤泰彦市長は、市内の出生数について「2019年の本市の出生数は171人」と報告した。これに対し、永田良一議員は「急速な出生数の減少は出産する年齢の女性が減少していることが大きく、未婚率の増加がその背景にある」と指摘。市における未婚女性の人数を尋ね、「市として支援策を考えないと、この問題は解決しない」と述べた。
また、議会では「地方創生の事業として、農業基盤整備が進む西海市だが、この施策を人口増加にも結びつけてほしい」との意見も上がった。市長は「農業を通じた定住促進を目指す」と強調し、農業後継者の育成に向けた努力を継続する意向を示した。
次にひきこもり問題に関して、相談件数が「令和元年度で6件」と報告された。永田議員は「訪問後の支援が解決には欠かせない」との考えを表明し、市がどのように対応策を講じるのか問題提起した。これに対して、保健福祉部長は、地域包括ケアシステムの整備を進めつつ、この問題にも取り組む姿勢を示した。
議会の中では、他市の成功事例も取り上げられ、「五島市が進める移住相談の取り組みが、増加の背景にある」と指摘。市も「西海市の現在の状況を分析した上で、効果的な施策を展開していく必要がある」と話し、積極的な姿勢での取り組みが期待されている。
今回の議論を受け、今後の人口減少対策やひきこもり支援策に対する関心が高まる中、地域のつながりを重んじた施策が求められそうだ。