令和2年12月の定例会が開催され、さまざまな市政に関する質問が行われた。特に、有人国境離島法による輸送コスト支援事業に関連する補助金返還問題が大きな焦点となった。この問題に関して、草野久幸議員が「事業実施者が補助対象経費に関して理解が不足していた問題」と指摘し、その結果市が返還すべき金額が2658万円に達することが明らかとなった。市長の野口市太郎氏は「今後、国や県との連携を密にし、再発防止に努力する」と強調した。
また、三浦直人議員は市有財産の評価基準について質問した。市長は「不動産鑑定士による評価制度を導入し、今後すべての公益施設において鑑定評価を実施する」と述べたが、財政状況を考慮すると不安視される声も上がった。
さらに、片峰亨議員は、玉之浦町公民館や富江中学校グラウンドの老朽化について問うた。教育長の藤田清人氏は、「玉之浦公民館は早急に管理計画を見直し、必要に応じて改修や建て替えを検討する」と回答し、施設の管理状況が危険なものになっていることを認めた。また、富江中学校のグラウンドについては、すでに営繕工事が行われたとのことで、安全性の確保に努める考えが示された。
防災に関する対策も重要な議題となり、台風9号及び10号による漂流ごみの回収について市民生活部の太田税部長が説明した。市は地域ごとに回収を進めたが、全ての漂流物を回収するには至っていないとし、次年度の対応を検討する方針を示した。
最後に、教育長は不登校・いじめの問題について具体的な取り組みを述べ、地域社会における連携強化が急務であるとの認識を表明した。このように、今議会では多岐にわたる問題が浮き彫りになり、市民の関心が高まる中、議員たちはそれぞれの視点から様々な対策を求めている。