令和6年6月の五島市定例会では、多くの議題が活発に討議された。特に無償貸付けに関する議案が注目された。議案第57号では、平成29年から続く不適切な手続きが問題視され、地域振興部長の小田昌広氏がその経緯を説明した。無償貸付けの決定過程において地方自治法の議決を経る必要性が理解されておらず、議会の重要性が損なわれる懸念が指摘された。
丸田敬章議員は、今回の件が再発しないよう、職員の意識向上と業務の適正化を訴えた。市長の野口市太郎氏は、全体的な決裁システムの見直しが必要であると認め、申し訳なく思っていると発言した。他にも、議案第56号の中央公園相撲場廃止に関しても江川美津子議員から指摘された。相撲場の廃止は既に決定しているが、その前に条例が必要であることが強調された。
さらに、補正予算についての議案第61号では、地域の福祉政策として進められている終活普及啓発事業の映画上映に関する質疑も行われた。日本における終活の啓発は重要性が増しており、市の側で積極的に関与する姿勢が示された。
今回の定例会での議論は、行政と議会との関係、さらに市民へのサービス向上に向けた施策の適切な運用に関する重要なものであった。議会の存在意義を再確認する内容が続き、五島市の今後の行く方に大きな影響が予想される。議会が適正な手続きを経て施策を進めることで、住民の信頼を得る必要性が強調され続けた。