令和6年6月定例会が開かれ、人口減少と少子化対策が焦点となった。松本 晃議員は、五島市の少子化の現状と今後の対策を問うた。特に、少子化対策について市の取り組みと計画を明らかにしたいと要望した。
市長の野口市太郎氏は、歴史的な少子化の波を受けており、過去の調査では15歳以下の年少人口が大幅に減少していると説明した。2003年には少子化社会対策基本法が制定され、国は広範な支援を行っているが、五島市でも独自の取り組みが進行している。婚活支援センターが設立され、ここで出会ったカップルの結婚も相次ぐなどの成果が報告されている。
さらに、子育て支援についても言及された。妊娠中から出産後にかけて、きめ細やかな支援が実施されていることを強調したが、実際の出生数の減少には課題が残る。特に166人の出生数は過去数年間での低水準であり、今後も注視が必要である。
婚活支援に関しても、多くの議論が交わされた。特に、婚活センターでの活動状況や婚活イベントの開催について詳しく説明された。イベント参加者の中からも結婚に結びつくケースが増えており、より多くの市民に参加を呼びかける必要があるとのことだ。
教育に関連する議論もあった。松本議員は、特に教育行政について空教員の補充が急務であると指摘し、奈留小中学校での教員配置状況も提起した。市長の回答では、学校統合により現在の通学状況はスムーズだが、今後も注視していく必要があると述べた。
また、市道の管理と維持も重要な項目であり、特に白這~江上線の管理状況が話題に上った。松本議員からは、現在の道路状況を改善する必要性が強調され、市は早期の着手を検討していると答えた。
最後に、緊急搬送時の海上タクシーの運航についても発言がある中で、市としての対策が求められており、消防長は現在の状況を説明しつつ、対応策の整備を進めると述べた。
今後10年、20年の未来を見据え、五島市の住民が安心して暮らせる環境づくりが重要であることが議会での議論を通じて浮き彫りになった。それに向けた具体的な施策の実行が期待されている。