五島市は新型コロナウイルス感染症への対応として、令和2年第1回臨時議会を開催し、様々な重要な議案を審議した。特に、経済支援に関連する議案に多くの焦点が当てられ、地域の状況を注視した議論が交わされた。
議案第44号では、令和2年度五島市一般会計補正予算（第1号）が提出され、多くの緊急経済対策が盛り込まれた。市長の野口市太郎氏は、国内外の感染拡大を受け、経済活動に深刻な影響が出ていることを訴えた。特に市内業者への支援策として、事業継続支援金が設けられ、売上高が前年同月比で30％以上減少した場合に最大30万円を受け取ることができるとの規定が新設された。この制度は市の独自の対応で、特に影響を受けている観光業や飲食業に向けた支援となる。
また、補正予算案には、緊急経済対策雇用補助金として、事業者が雇用を維持するために国の制度を併用しながら取り組むことも可能とされている。これに対して、議員からは申請手続きの複雑さが指摘され、簡素化や迅速な支給が求められた。市長は支給のスピード感に配慮していく方針を示し、行政として全力を挙げて地域の経済を支える意欲を強調した。
議会では、給付金の支給要件に関する質疑も行われ、市税の滞納がないことを条件とする現行の方針について、議員からの見直し要望が寄せられた。市長は、納税の重要性を訴えつつも、市民の状況を鑑みて柔軟に考慮する姿勢を示した。
地域振興部長の大賀義信氏は、五島産品の販売促進事業についても言及し、補正予算が地域の復興に向けた一助になると期待感を持っての説明を行った。市の行動計画とともに、住民への情報周知が重要視され、適切なタイミングでの対応が求められる。
最後に、緊急経済対策としての公的支援が市民の生活を守り、地域経済を再生させるために、議会内外でのさらなる協力と協議が必要であると総括された。