令和6年6月、五島市議会定例会が開かれ、多くの議案が取り上げられた。
特に注目されたのは、「人権擁護委員の候補者の推薦について」と「五島市監査委員の選任について」である。この二つの議案は、議会において異議なく委員会の付託を省略することが決まり、スムーズに進行した。
市長の野口市太郎氏は、監査委員の選任に関して、荒尾正登氏の辞職後、相良尚彦氏の選任を提案した。野口市長は「人格が高潔で財務管理に優れた者を選任することが求められる」と述べ、議会の同意を求めた。
また、五島市の政策発展を支えるために、新たな人権擁護委員を選任する意義についても言及。人権擁護委員は法律に基づき設置されるものであり、重要な役割を担っている。このため、議会も積極的な意見を表明し、候補者の推薦が了承された。
さらに、議案第50号から第58号までの一連の条例改正においては、福祉医療費支給に関する規定や、国民健康保険税条例の改正についてが議論された。特に、福祉医療費の支給については、経済的負担が大きい障害児や母子家庭の支援を強化するものであり、議会からは異議なく可決され、審査が通過した。
また、「福祉医療費の支給に関する条例改正について」においては、障害児と独り親家庭の子に対する医療費支給を無料化する内容が含まれており、教育福祉委員会からは「学生たちがより良い環境で育成されることを期待する」との意見も出されていた。
議会議案第1号では、健康保険証の存続を求める意見書を採択し、議会内外での価値観の違いが明らかになった。議長の木口利光氏は、議会内で賛成と反対の意見が交わされた結果、最終的には多数決で否決されたことを報告した。特に、健康保険証の廃止について不安の声が多く寄せられ、住民の健康管理を支える上で、現行の健康保険証の存続が重要視されている。
今回の定例会は、議会と行政の緊密な連携を確認するとともに、地域に根ざした市民サービス向上を実現するための重要な一歩となった。また、次期市長に対する期待も高まる中、議案の可決や請願活動の進展に向けた取組が今後も続くことが予想される。