令和元年12月の五島市議会において、主に環境行政と地域医療についての質問が交わされ、具体的な施策の展開が議論された。
今議会で焦点となったのは木口利光議員による環境行政に関する一連の質問であった。彼は五島市クリーンセンターの運営に関する安全管理の重要性を強調し、「最新技術の導入が地域住民の安全を確保する鍵だ」と述べた。また、新しいごみ焼却施設の導入に伴うごみ減量化の取り組みについても触れ、「市民の意識改革が必要」との見解を示した。この質問に対し、市長の野口市太郎氏は、「新ごみ焼却施設の安全管理を徹底し、住民への情報公開を進めていく」と述べた。
続いて、橋本憲治議員からは富江病院の再編に関する疑問が呈された。彼は全国424の公立病院がリストアップされた影響に対し、地域医療の基盤となる富江病院が対象となることへの懸念を表明した。「市民が安心して医療を受けられる環境を守ることが最優先だ」と述べ、市長は「病院が再編されることのないよう、地域の声を国に届けていく」と強調した。
また、草野久幸議員は奈留医療センターについても質問。この医療センターは、月に2回の精神科外来を開設しているが、その運営におけるルールや診療体制の見直しを求めた。市民生活部長は、初診の患者は五島中央病院で診察を受ける必要があるとの説明をし、今後も患者からの相談に応じて柔軟に対応するとの意向を示した。
加えて、オフィスビル賃貸の公募についての議論が行われ、草野氏が「地元の商業活動を考慮すべきだ」と訴え、図書館の建設場所を巡る意見が交わされた。市長は「地域活性化に向けた施設整備を進めていく必要がある」として、商業施設が進出することに対する考え方の相違を述べた。
一方、交通整備と地域医療を繋げるためのインフラ関連の取り組みも模索されており、国土強靭化地域計画の策定が提起された。市長は「昨今の自然災害の教訓を生かし、事前防災策を強化していくことが重要」と述べ、地域の安全を確保するための施策に力を入れていく意向を示した。
議論が深まる中で、地域住民が安心して医療にアクセスできる環境作りが求められ、今後の調整と協議が期待される。市長や市議会は、地域医療の維持や環境施策の推進を見据えた取り組みを進め、切実な市民の声に応える方針を示している。特に医療現場からの声やコミュニティ全体の活性化を意識した計画が必要であり、その実現に向けた具体的な行動が期待される。