令和4年12月定例会が開催され、市議会では複数の重要な議題が討議された。
その中で特に注目されたのが、介護人材不足の現状についてである。草野久幸議員は、五島市の介護人材確保の状況に強い懸念を示し、介護職員の高齢化が進んでいることや、求人倍率が厳しい現状を訴えた。市長の野口市太郎氏は、介護職員の総数は1,301人であり、そのうちの30%が60歳以上であることを示した。このままでは、2025年までにはさらに人材不足が深刻化する恐れがあるとも述べた。
また、五島日本語学校卒業生の進路状況も議題となり、教育長は、卒業生の進学率が100%であることを報告した。しかし、卒業後に五島で働きたいという意欲がある一方で、専門学校に進学し、最終的には本土での就職を選ぶ傾向が見受けられる。これに対し、専門学校などの設立が求められる。特に、介護に関する専門的な教育を受けられる場が必要であり、教育当局によるさらなる取り組みが期待される。
次に、農業振興の議題では、網本定信議員が農業用資材の価格高騰に対し、五島市と農業協同組合の連携について質問した。市長は、高騰する肥料に対して補助制度の実施を明言し、地域農業の支援に向けた取り組みの強化を約束した。また、持続可能な農業を目指して、農業施策の見直しが必要であると強調された。
さらに、浮体式洋上風力発電の取組状況についても報告があり、この新たなプロジェクトが海の環境や地域経済に与える影響についても言及された。市からの発表によれば、年内に4基の浮体式発電機が稼働を開始する予定であり、全体で約5,270万kWhの発電が見込まれているという。
最後に、遊休資産に関する問題も取り上げられ、いかに有効にこれらの資産を活用していくかが市政の課題とされている。議会では、各議員がそれぞれの視点から、五島市の未来に向けた施策について提言を行った。
議論を通じて、五島市は、医療、教育、農業、再生可能エネルギー、地域振興など、様々な課題解決に向けた取り組みを続けていく必要があるとの結論に至った。今後も市民目線での施策推進が期待される。