令和5年12月定例議会が、12月8日午前10時に開議された。その中で、特に注目を集めたのは自衛隊への名簿提供に関する一般質問であった。
日本共産党の三原淳子議員は、自衛隊への名簿提供の実態について詳細に質問を行った。具体的には、自衛隊に名簿情報を提供するにあたる根拠及び対象者数について尋ねた。市民部長の中野雅夫氏は、自衛隊法に基づき適齢者の情報提供を実施している旨を述べた。近年は、自衛隊員の募集数が減少しているため、地方自治体としての協力が求められている状況と表明した。
三原議員は更に、提供情報に健康状態や家族構成が含まれないのかや、それに伴う本人同意の必要性について質問を続けた。市民部長は、今回提供している情報は宛名シールの形での氏名、住所のみであり、健康状態や家族構成については提供していないと確認した。また、本人同意の必要性については法律に基づき同意を求める必要がない旨を述べた。
次の話題に移り、三原議員はメンタルヘルスの問題についても言及した。名張市職員の病気休職者が多く、特にメンタルヘルス不調者が突出しているという現状が報告された。これは、職場環境や対人問題が影響しているとの見解が示された。総務部長の田中克広氏は、様々な要因があり、職場の人間関係や業務の負担が大きいことを指摘した。
また、議会では具体的な対策として、過去に職場改善策や、メンタルヘルスサポート体制を構築していることが話された。看護師の離職問題に関しても議論がなされ、病院長の話では、看護師の離職率を低下させるため、周囲の環境を整備する方向性が求められている。加えて、救急受入数の減少についても触れられ、これは人員が不足していることが主因とされ、医療体制の改善が急務である。
人権問題においても関心が寄せられた。常俊朋子議員は、人権施策の進展や子ども条例に関する取り組みを報告し、特に子ども・若者の権利を尊重する観点からの施策が重要であると訴えた。また、地域福祉教育総合支援ネットワークの役割や、エリアディレクターが重視されていることを確認し、精神的課題を持つ若者支援を強化するべきとの見解が示された。
この一連のやり取りから、自衛隊への名簿提供の法的根拠や、メンタルヘルスの重要性、そして地域社会における人権施策の推進が名張市の目指すべき方向性であることが再確認された。今後の施策を通じて、名張市がより良い社会を築くことが期待されている。