令和4年9月7日、名張市議会は第405回定例会を開き、一般質問が行われた。議員たちは、財政運営や中学校給食、観光振興、そして高齢者支援など多岐にわたるテーマについて意見を交わした。
中でも山下登議員が強調したのは、財政運営の改善に関する問題である。議員は市が示した「なばり新時代戦略」について、市民にとって最も懸念されるのは財政状況であると指摘した。具体的な数値を上げつつ、自主財源の確保や経常収支比率の改善について市の取り組みを問うた。市長の北川裕之氏は、自主財源についてはふるさと納税が過去最高の約2億2千万円を記録したと述べつつ、今後は税収の増加にも力を入れていく方針を示した。
次に中学校給食についても議論され、藤川美広議員は自校方式による給食導入の必要性を強く訴えた。藤川議員は、地域の農家との連携や地産地消の推進が、食育だけでなく経済の活性化につながると主張した。市長はセンター方式が基本であるとしたものの、民間活力導入可能性調査により最適な方式を選択する意向を示した。
観光振興について、幸松孝太郎議員は市内でのホッケー強化合宿を例に、観光資源を生かした地域活性化の必要性を論じた。市長は、ホッケーを通じた連携を活用し、地域の魅力を発信していく方針を示した。
高齢者の移動支援についても、多くの課題が指摘された。市は地域での見守り活動や外出支援の体制を整える中、地域の声を大事にしつつ、交通網や福祉サービスの連携を進めていく必要性を再確認した。特に、移動手段の確保については、未利用地の活用や地域交通の改善が求められると考えられている。
最後に、コロナ禍と物価高の影響についても詳細に議論され、市として独自の支援策を検討していることが明らかにされた。市長は、国の支援と連携しながら、生活困窮者へのさらなる支援を図る考えを示した。
このように名張市議会では、地域の未来を見据えた具体的な施策の検討と、その実施に向けての協議が行われている。議員は市民生活の向上に向けて市に対して様々な視点から意見を述べ、議論は活発に展開された。今後の動きが注目される。