名張市議会第396回定例会が12月8日に開催され、主な議題として一般質問が行われた。議員たちは、コロナウイルスの影響下での市の財政状況とその対応策について活発な議論を展開した。
特に、市の主要な収入源である都市振興税についての議論が多くを占めており、議員の幸松孝太郎氏は、ワクチンの接種が始まる国際的な流れに触れながら、コロナ禍の中でもしっかりとした財政運営が必要であると強調した。
幸松議員は、都市振興税の延長に関する提案をした。これは、令和6年度までの収支の見通しと、その後の財政健全化のための対策として要請されている。市長の亀井利克氏は、令和3年度から5年度にわたり約3億円の財源が不足すると見込んでおり、この期間に都市振興税を延長することでその他の財源不足を補う考えだと説明した。
次に、教育問題に関する質問が続いた。第二次名張市子ども教育ビジョン後期計画について、教育長の西山嘉一氏は、GIGAスクール構想に関して、新たに市立小中学校に1台ずつの学習用端末が導入されることを発表した。これにより、今後の教育現場のデジタル化が進むことが期待されている。
さらに、コロナ禍における子育て支援と、子供の貧困対策にも多くの質問があった。幸松議員は、特に貧困問題が顕在化している現状を指摘し、市が実施する支援のの必要性を強調した。
また、横断歩道に関する交通安全問題も取り上げられ、名張市の通学路での事故防止のため、高齢者や地域住民による見守り活動や、校外学習での交通安全教育の充実を求める意見が多数挙がった。
それから、名張市の観光事業についても言及され、特にコロナ禍での観光業の影響を考慮しつつ、鬼滅の刃などの人気アニメ文化を活用した観光誘致の新たな展開が提案された。地域の特性を生かしつつ、インスタグラムやSNSを通じた情報の発信も重要であるとの意見が出された。
名張市は今後、予算を見直し、歳出を削減しつつも、質の高い市民サービスを提供するための施策を続けていく考えだ。このような議論を通じて、名張市の財政運営と今後の方針が具体化されつつある。市民からの理解と協力を得ながら、行政は地域課題に積極的に取り組んでいく方針である。